猫のトイレ環境を整える

何事も問題が起こってから、それを修正するのは難しく、とても面倒な作業です。

猫のトイレ問題も同様で、最初から環境を整えて正しい(ようするに人にとって好ましい)習慣をつくれるようにする方が、ずっと楽な方法なのです。

とはいっても、なかなか思うようにいかないこともあるわけで

もうすでに何らかの問題を抱えている、そんな時の基本的な対処法を記しておきます。

トイレ環境を見直しましょう

猫は、いろいろ好みがうるさい生き物です。

猫の好みに合うトイレ環境を提供するのも、飼い主の立派なお役目です。

具体的な見直しポイントは以下の通りです。

トイレ(容器)の形状、大きさ

容器は小さなものより、大きなものを好む傾向があります。市販の猫用トイレは、どちらかと言えば小さいので、設置場所に余裕があるならトロ箱のような大きなものを検討してもよいでしょう。

上を覆うタイプのトイレは、匂いがこもり圧迫感があるため嫌がる猫が多いようです。もちろん個体差はありますので全ての猫に当てはまるわけではありませんが、もしこのタイプのトイレを使っていて問題を抱えているなら、一度覆いを外してみることをお勧めします。

トロ箱(プラスチック製のもの)は、ホームセンターなどで入手できます。固まるタイプの猫砂なら、トイレがわりに利用できます。ただし、サイドが高いため高齢の猫には不向きです。高齢の猫には足腰に負担がかからない、入りやすいものを選んであげ、場合によってはスロープなどで入りやすいよう補助してあげましょう。

猫砂の種類

写真は、どちらも木材(木屑)が原料の猫砂です。

小さい粒の方は、おしっこで固まるタイプで、ペレットは撥水加工された某メーカーシステムトイレ用の猫砂です。

木屑ペレットタイプでも、おしっこを吸収すると形が崩れるものもあります。他に、おから(食べてしまう猫もいますので要注意ですが。)や茶殻を使用したもの、パルプ、シリカゲル等、素材も形状も様々なものが出ています。

一般的には、粒は小さめで砂状のものをより好むと言われていますが、子猫の頃の原体験が大きく影響します。

どの種類を好むのか、実際にいくつか用意して試してみましょう。

砂は、ザクザク掘る行動で満足感が得られるように、多めに入れてあげてください。

トイレの設置場所、設置数

トイレの設置場所は、落ち着いて用を足せる、行きやすい場所を選んであげましょう。

また、食事場所とは少し離れていた方がよいと言われています。

高齢猫は、トイレの場所が離れすぎていないか、無理なくいくことができる範囲内か確認してください。

多頭飼いの場合は、頭数プラス1を基本に、トイレ数を調整してください。少ないよりは多い方がよいでしょう。

トイレが汚いことで排泄の習慣が崩れることは、珍しいことではありません。常に清潔を心がけ、まめにお掃除片付けをするようにしてください。

ストレスに配慮すること

トイレの問題は、トイレそのものを見直すだけでは解決しない場合が少なくありません。

例えば、引っ越しや家族構成が変わった(結婚、出産、新しいペット)など環境が大きく変化することは、猫にストレスを与えやすく、トイレ習慣が崩れるきっかけになることがあります。

 

そのためトイレの問題解決には、ストレスを解消するための取り組みが欠かせません。

 

まずは猫と暮らす上で整えてあげたい基本的なことを再確認しましょう

  • 安心して休息できる場所があるか?
  • 自由に行ける高い場所があるか?
  • 食事を取る場所が猫にとって安全で安心できる場所であるか?
  • 爪とぎのの場所を複数ヶ所用意してあるか?
  • 健康上の問題を抱えていないか?

以上5点は、心身共に健全な生活を送るための大切なポイントです。

常に気にかけてあげてください。